FRESH COFFEE

自宅の近くにあった、自家焙煎コーヒー豆販売店より、様々な種類の生豆を少量ずつ分けてもらい、焙煎の練習をしました。すすめるうちに、コーヒー豆も農産物で、産地や気象条件に影響されるデリケートなものだとわかりました。そして焙煎の度合いにより、その個性がより感じられるようになりました。いつしか、個性を最大限に引き出すにはどう焙煎すべきかを追求していました。 カナダでも飲み親しんだカフェラテ等は、深煎のエスプレッソベースなので、コーヒー本来の個性はあまり感じられませんでした。それでＫＡＤＡＮＡでは、コーヒー豆のそれぞれの個性を楽しんでいただきたく、ハンドドリップで提供するスタイルに決めました。  

カナダから帰国して、洋菓子の製造の仕事につきました。休みの日は開店に向けての準備です。カナダで飲み親しんだコーヒーチェーン店が、ここ京都にも数店舗できていました。昔からある喫茶店もめぐりつつ、自分のお店のイメージをふくらませていきました。自分のお店を持つからには、コーヒーはやっぱり自家焙煎だなと思い、自宅で手網焙煎から始めました。

カナダでの生活で、日常的にコーヒーを飲む習慣がつきました。ショップにより、提供スタイルは様々です。シンプルなドリップコーヒー、エスプレッソベースのラテスタイル。朝のビジネスマンは、大ぶりのトラベルマグを持参して、並々とそそがれたドリップコーヒーに、こだわりのミルク（低脂肪・豆乳など）を好きなだけ入れて、オフィスへ直行する人も。友達とのおしゃべり、英語の自習時間、レストランの仕事の休憩時間・・・傍らにはいつもコーヒーがあったものです。

海外に渡って初めて気づくことがあります。その一つが、コーヒー飲料の販売方法です。１９９０年代後半のころですので、まだ日本ではコンビニコーヒー（店頭マシン抽出）もなく、缶コーヒーが主流でした。自動販売機もコーヒー飲料が半分を占めていたころです。一方その当時のカナダには、自動販売機が見当たらなかったのです！かわりに街のいたる所にコーヒースタンド（カフェ）があり、早朝から気軽にコーヒーをオーダーできるのです。語学学校のあるビルの1階にもカフェがあり、ビジネスマンに交じってブルーベリーマフィンとカフェラテを楽しみました。  

梅雨の晴れ間に撮影した、店頭の外壁のイラストのご紹介です。お店のコンセプトであるＦＲＥＳＨをイメージしたものです。野菜・フルーツ・シーフードにかこまれた、ＦＲＥＳＨ　ＣＯＦＦＥＥにご注目。ストレスのない環境でつくられたものを、新鮮なうちに楽しんでいただきたいと思っています。

ＫＡＤＡＮＡのコーヒーは、店内の焙煎機で少量ずつ丁寧に焼いています。 world coffee collectionでは、世界の生産地ごとに個性豊かなコーヒー豆をご覧いただけます。